建材屋目線での「木質インテリア」のメリット・デメリットBLOG DETAIL
おおまかに、木質建材の住宅やインテリアへの使用方法は2種類あります。一つは、構造材として柱などに用いるやり方、もう一つは内装材としてフローリングや壁材に木質建材を用いるやり方です。
基礎工事の段階から設計の必要となる前者の方法と比較し、後者の「インテリア」としての木質素材の使用は簡易で、コストや手間を抑えて木質素材の良い所を建材に取り入れることが可能です。
今回は、建材の調達・加工から設計、工事まで手掛ける弊社の目線から、内装材として「木質インテリア」を採り入れることのメリット・デメリットを紹介していきます!
なぜ木質インテリアを採り入れるトレンドが増えているのか?
フローリングや壁板など、内装材として扱われる木質素材の価格が上昇しているにも関わらず、商業・個人利用を問わず全体的にインテリアへ木質素材を採り入れる動きは増えています。
元々日本人の暮らしにと木質素材のインテリアには切っても切れない関係性が存在しており、日本の古い作りの民家を覗くと多くの木質素材が使われていることに驚かされます。
木質内装材は現代の暮らしでも活かせる多くのメリットを持っており、これが一つに木質内装材の使用が再評価されている理由になっています。
自然素材である木材は、伐採された後でも「周囲の湿度を取り込む」という調湿効果を持つことで知られており、夏の湿度の高い時期には湿度を吸収し、冬の乾燥した時期にはそれを空気中に発散します。
また、視覚的にも人工材の単調な見た目にはない、自然の持つ不規則な効果が美しいと、近年の心理学や森林学の発展によって徐々に解明されており、木質素材をインテリアに取り入れるオフィスや商業施設も増加傾向にあります。
心身効果 | 視覚・インテリア効果 |
自然の調湿効果 | 目に優しい光を反射 |
滑りにくい | 自然の不規則性が美しい |
熱伝導率が低く心地よい | 自然の経年変化 |
ストレス軽減の香り | |
柔らかくケガしにくい |
なぜ木質インテリアのクレームは多いのか?
こうしたメリットを持つ木質内装材には、大工泣かせの「クレーム」がつきものだとされています。床鳴り、夏場の膨張、カビ、虫食い、等々・・実際に木質内装材を採用した自宅などの口コミを見てみると、一定数「後悔した」という声も見受けられます。
こうした木質内装材ならではの問題とは、裏を返せば「自然素材」であるがゆえの宿命のようなもので、壁とのクリアランスを開けたり日焼けカーテンを用いるなどで予防できる点もありますが、基本的には「それも込み」での使用となります。
良く言うと | 悪く言うと |
周囲の湿度を吸収する | 木材の膨張を招き、場合によっては突き上げなどを招く |
自然の経年劣化によって美しく見た目が変化する | 日焼けなどによって見た目の統一性が失われる |
– | シロアリなどによって喰われる |
– | 湿度を放置するとカビが生える |
こうした「木質であるがゆえ起こりえるトラブル」は、織り込み済みであればともかく、企画の統一されたプラスチックやコンクリートの内装材に慣れてしまっていると、馴染めずにクレーム化してしまいがちです。
こうした点はデメリットとして考えられがちですが、本来木材の持つ特性であるがゆえ、ある意味自然素材である裏返しとも言えるでしょう。
木質インテリアのトラブルを防ぐには
木質インテリアのトラブル(※特に湿度に起因する)の原因は多岐に渡り、施工時のミス、メンテナンス不足、過度の湿度・乾燥環境、等が主な原因となります。元々生き物であった木材を使用する以上、その土地の気候や風土、部屋の大きさにあった使い方や加工をすることが重要で、その点では個々の物件に適した最適な木材を用いての施工が推奨されます。
弊社プロセス井口は、建材の仕入れ・加工からデザイン、施工まで一貫して行えるスキームを持っており、異なる気候環境やサイズに最適な木質インテリアの提供を実現しています。
例えば以下の施主様の家具工事の際には、1.8mを超えるような大型の無垢材は反りやすい性質があるため、協議の末、各箇所に合った素材を採用するように決め、最適化されたサイズで木質インテリアをご提供させていただきました。
お部屋や商業施設を優しく、温かみに満ちた空間にする「木質インテリア」の使用にあたっては、是非お問い合わせください!