製材所の歴史 ~水力製材所からCNC付機械まで~BLOG DETAIL

 

様々な素材が用いられる21世紀のこんにちにおいても、木材の需要は衰えるところを知りません。2020年前後では木材不足による「ウッドショック」が日本の住宅業界を襲ったこともまだ記憶に新しいでしょう。物流から住宅、果ては宇宙工学に至るまで、安価で、健康で、加工のしやすい木材は人類にとって欠かせない素材であり続けています。

もっとも、原木を森から伐採し、そのまま加工することはできません。丸太と呼ばれる材木を、人間の手で加工しやすい大きさにカットし直す必要があり、その過程で「製材所」が用いられることとなります。

製材所の起源

木工の起源は古く、石器時代から既に木材の武器や住居への加工が施されていました。最近の調査では、4万年前のネアンデルタール人の時代から既に「木材を加工し、使用する」技術は用いられていたとされています。

もっとも、これらの時代の製材作業は、あくまでやすりなどを用いて手動で加工する、原始的なものでした。手動での木工技術が機械式の「製材所」に昇華されるには長い年月をかけることとなります。

考古学に登場する最初期の「製材所」は、西暦3世紀にローマ帝国内(現トルコ)に建設された「ヒエラポリス製材所」であると言われています。電気技術の存在しない当時、人類が用いることのできる最も馬力のあるシステムは「水力」でした。恐ろしいことに、当時のローマ人は水力の物理を応用し、木材はおろか、大理石まで切り出せる水力式製材所を開発してしまいます。

このローマ人の発明した水力式製材所は、中世を通じてヨーロッパ・イスラム世界に伝播したとされており、産業革命によって蒸気動力が開発されるまで、機械式製材の代表的な手段の一つでありつづけました(16世紀には、オランダで風力発電による製材所が開発される)。

現代と異なり、産業革命以前の世界には「列車」や「トラック」が存在していません。そのため、重く、持ち運びのしづらい原木を製材所まで運ぶためにはもっぱら「河川運搬」が用いられることとなります。日本において筑後川に面した大川市に多くの家具・製材技術が培われたように、ヨーロッパ・北米においても基本的に製材所は森林の下流に設けられ、流れてくる木材の製材をおこなうことで成り立っていました。

一見すると「川に流すだけ」なので簡単な運搬のように思えますが、実際の所川に木材が詰まってしまわないように常に人力で丸太を取り除く必要がありました。時には増水した川で、丸太の上を飛び回るこうした職人の仕事は危険で、常に多くの死者をもたらしたと伝えられています。

産業革命

18世紀にイギリスで発明された蒸気機関車を皮切りに、以後100年で世界中に伝播した産業革命は、製材の歴史を大きく変えることとなります。

産業革命が製材業界にもたらした影響の一つに、「鉄道網の整備」が挙げられます。上記の通り、従来であれば伐採後重たい原木は製材所まで河川などを用いて輸送するため、原則的に製材所は河川付近に設置される必要がありましたが、鉄道による原木の輸送が可能になったため、製材所もそれに応じて様々なロケーションを選べるようになりました。

かつて、地場の大工や家具職人によって消費されていた製材が、遠隔の職人、消費者の手元に届くようになり、日本でも産業革命以降木工技術の向上がおこります。480年の歴史を持つ大川市の家具が筑後の枠を超えて全国的に展開し始めたのも、ちょうどこのような輸送網の整備によるものがきっかけでした。

さて、産業革命が製材業界にもたらしたもう一つの影響が蒸気動力による製材機械の発明です。水の力を利用する水力製材所は川沿いに位置する必要がありましたが、こうした蒸気式の製材所が開発されたことで、製材所の地理的な柔軟性が向上します。

もっとも、産業革命による木材加工技術の発展は、同時に各国で森林破壊をもたらしました。特に産業革命の発祥地であるイギリスの森はほとんどがはげ山となり、当分の間外国や植民地からの木材の輸入に頼ることとなります。

現代の製材業界

20世紀、21世紀を通じて製材技術は飛躍的に進歩しました。20世紀中盤に登場したCNC技術は木工機械の可能性を大幅に飛躍させ、家具、住宅、乗り物、工芸などあらゆる場面での木材の使用用途が増えました。機械のイニシャルコストが増大するにつれ、世界的にも製材所の数は淘汰されていくこととなりました。

松本木材様より写真提供

職人さんや大工さんとのコミュニケーションが円滑におこなわれているかどうか、これは良い製材所の条件の一つでしょう。CNC付、機械化された製造工程の中にあっても、未だに職人さんの繊細な手作業にしか成し遂げられない工程もあれば、複雑な機械を操る職人さんの技量が問われる製材もあります。

プロセス井口

昨今の大量消費の流れから、建材・住宅業界は着実に「カスタマイズ」に流れが切り替わって言っています。すなわち、住宅や家具、それぞれの気候、家族条件、大きさ、デザインなどに沿った唯一無二のモノを完成させる製材であり、そういった意味で我々は「職人文化」と「最新技術」の両方を武器に多種多様な製材をおこなえる企業を目指しています。

プロセス井口

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プロセス井口は輸出入・製材・加工・施工をてがける、福岡県の木材エキスパート集団です。

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