ヨーロッパの内装材に用いられる人気木材ベスト7BLOG DETAIL

ヨーロッパの内装材と言えばオークが有名ですが、実はそれ以外にも、家具やフローリングに用いられる樹種は数多く存在します。ヨーロッパ原産でない、中にはアメリカや中東から仕入れてくるようなものも中にはあり、個々の樹種に応じた特徴を活かしている点が興味深いと言えるでしょう。

オーク

日本では西洋ナラなどの名前で親しまれるオークは、ヨーロッパを代表する人気の木材の一つです。古くからその用途は多様で、家具、楽器、内装材から兵器や船まで、ヨーロッパの人々の生活と歴史に欠かせない木材材料でした。また、神話や小説、果ては諺にも登場することが多く、ヨーロッパの人々にとって身近な樹種であることが分かります。

木材の特徴としては、ヨーロッパ各国に自生しておりアクセスしやすく、その割に頑丈で高級感の高い見た目となっています。経年劣化とともに木目が濃さを増し、より味わい深い重厚さを醸します。

近年はキクイムシの脅威に晒され、またロシア・ウクライナ戦争の影響もあって一時的に価格が高騰していましたが、2023年以降価格はやや落ち着いています。とはいえ、節無し、白太なしといった伐採可能量の少ない部分の市場流通量は少なく、高価な値段で取引されています。

密度:0.6 – 0.9(10 kg3/m3)
強度: 1,360 lbf
価格:お手頃

オーク複合フローリング 南麻布フィットネスジムMohi Pilates様 施工事例

メープル

日本での呼称は「カエデ」、メープルシロップの原材料にも使われる樹種で、カナダの国旗にも使用されています。白みがかった美しい光沢が特徴で、特異な弾力性を持つことから楽器の原材料に広く使われてきました。

繊維が密集し強度が高いことからフローリング材などにも用いられていますが、値段感のため3枚ザネなどに組み合わせたものが市場には増えています。

メープル:0.6 – 0.75(10 kg3/m3)
強度: 1,450 lbf
価格:やや高い

copyright@flicker_audiophilia メープルのフローリング

ウォールナット

チーク、マホガニーと並び、世界三大銘木の一つと称される木材の一つです。他の木材には見られない、重厚な濃い木目を持ったデザインが特徴で、高級家具や高級フローリングの代名詞として用いられます。価格帯的にも、オークの2~3倍の値段で取引されることが多く、ウォールナットの家具やフローリングを用いている家庭は、ヨーロッパにあっても多くは有りません。

原産国としては生産高ベースで中国、次いでアメリカ、イランなどの中東となっており、ヨーロッパで流通しているウォールナットはほぼ輸入品といってよいでしょう。

密度:0.57(10 kg3/m3)
強度: 1,010 lbf(ブラックウォールナット)
価格:やや高い

ウォールナットのフローリング(プロセス井口施工)

ビーチ

日本名はブナ。オークよりも少し白みがかった木目が特徴的なビーチ材、強度としては同じブナ科のオークと似ており、その弾力性の高さから椅子などに用いられることが多いと言えます。

密度:0.7 – 0.9(10 kg3/m3)
強度: 1,300 lbf(アメリカンビーチ)
価格:お手頃

アッシュ

日本語では「タモ」と呼ばれ、ヨーロッパ全域に自生するヨーロピアンアッシュのほか、アメリカ原産のホワイトアッシュがメジャーです。非腐食性にはやや劣ることから構造材には適さないものの、洗練された白みがかった色、広葉樹特有の耐久性、などが相まって、フローリングや家具、楽器などに広く用いられています。

ちなみに、アイルランドの人気スポーツである「ハーリング」の棒にはこのアッシュが使用されるものの、近年ではアイルランド国内のアッシュで十分な木材が確保できず、ヨーロッパ諸国から輸入する状況が続いています。

密度(ホワイトアッシュ): 0.65 – 0.85(10 kg3/m3)
密度(ヨーロピアンアッシュ): 0.71(10 kg3/m3)
強度:(ホワイトアッシュ): 1,320 lbf
値段:お手頃

白樺

パインのように明るく、それでいて広葉樹の頑丈さを採り入れた白樺の木は、北半球に自生する有名な木材の一つです。光や大きな窓との相性がよく、北欧諸国のフローリング材などに使用されることがあります。また、パルプ産業においても材料として用いられる重要な木材の一つと言えるでしょう。

密度: 0.67(10 kg3/m3)
強度: 1,260 lbf
価格:お手頃

チェリー

北米の家具市場で使用頻度の高い木材(アメリカン・ブラック・チェリー)で、サクランボの木としても親しまれています。淡いピンク色の濃淡がかった木目はインテリアに重厚感を醸し、ベッドやキャビネットの素材として使用することで高級感が出ると人気です。ヨーロッパで見かけるチェリーの原産国は北米であることが多いと言えます。

フローリング材としても使われることがありますが、他の広葉樹の樹種と比較すると強度がやや劣るため、家具や小物に使われる頻度のほうが高いです。

密度:0.63(10 kg3/m3)
強度: 995 lbf
価格:お手頃

copyright@flicker_Bruce Hall チェリーのキャビネット

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