一般的な家庭用床材の種類6選BLOG DETAIL
いざ床をリフォームしよう、と考えることはあっても、一生のうちでそう多く床材を選択する機会などなく、なかなか選びづらさを覚えることがあるかもしれません。今回は、自宅のリフォームなどの場合、果たしてどのような選択肢があるのか、解説をおこないます。
床材の種類は何故たくさんある?
数あるインテリア材の中でも、床材は特にその種類が多く、消費者の立場から見ても目移りしやすいものの代表格として挙げられるでしょう。木質、非木質、タイル、塩ビ、カーペット・・・購入場所もホームセンターからデザインセンター、はたまた自分では購入できず内装工事屋さんに発注してもらう方法など多岐に渡ります。
この種類の豊富さの一因は、そもそも建材という特性上、住居の広さや用途、ビジネスの有無、家族構成などに大きく左右されてしまうため、個々のニーズに合わせ細分化されていることが原因と言えるでしょう。要するに、「良い床材」というものを探すよりも「自分の求める用途に適した床材」を探すことが命題となります。
以下に、日本の床材市場で代表的な床材カテゴリとその特徴を解説していきます。
複合フローリング
日本の床材市場の中でも特にその存在感を放つのが「複合フローリング」です。毎年国内で6000万㎡~7000万㎡の売上を維持しており、家庭・商業施設に関わらず使用する床材の筆頭候補に挙げられることが多いでしょう(参照:日刊木材新聞社)。
一口に複合フローリングと言っても、その種類は多岐に渡ります。一般的な種類はベニヤが複層式になり、表面には薄い突板(本物の木)やシートを張った形式のものです。輸入フローリング関連では、突板の厚い3層フローリングなどが主流と言えるでしょう。要するに、一枚物ではなく複数の木を貼り合わせたものを複合フローリングと呼びます。中にはリノベ用、つまり既存の床の上に貼れる薄いタイプのものもあれば、工事を要するタイプのものもあります。
なぜ一枚物を使用せず、複数の木を貼り合わせるのかというと、一つには「価格」の問題が挙げられます。単純に、一つの木から切り出せる板の数は限られており、その中でも継ぎ目のない、一枚物の板は取れる数が限られていると言えるでしょう。もう一つには「寸法安定性」の問題があります。無垢フローリングの場合、多湿や乾燥で伸縮してしまい扱いが難しく、それを安定させるために複数の板を貼り合わせる方式を用いるのです。
特に、室内でも素足で過ごすことの多い日本の家屋と、低価格で木質の質感を得られる複合フローリングの相性はよく、今日にいたるまで日本の床材市場の中でも主要なカテゴリとなっています。
無垢フローリング
価格的、かつ扱いの難しさから複合フローリング程の販売ボリュームはありませんが(複合フローリングの2~3%前後と言われる)、それでもダイナミックな木質の感触を家で味わいたいファン層に根強い人気を誇るのが無垢フローリングです。扱いに長けた大工さんの施工を経ることで、施工不良などの危険は抑えることができます。
木質フローリング自体、周囲の余分な湿度を吸収、あるいは放出する「自然の調湿機」の特徴を持ちます。その中でも、一枚板で作られた無垢フローリングはその傾向が顕著で、家庭内の湿度環境を健康に保つ働きを持ちます。
また、複合フローリングは製造工程で接着剤を含むことがありますが、無垢フローリングの場合そうした人工物質の割合が少なく、自然素材というにふさわしいでしょう。
塩ビタイル
木材フローリングは、触感や見栄えの点で日本人に好まれていますが、耐久性、そして耐水性に関して弱点を持っています。特に、キッチンなど水回りや、脱衣所、その他高温多湿環境では突き上げの原因となることがあります。また、大規模な大工工事が必要になることもあり、簡単に施工することができないネックを抱えます。
そうした点で、木質フローリングの代替品として活躍するのが非木質系の床材です。代表的なところでは「塩ビタイル」で、木質系の柄を用いたものが多く、ものによっては本物の木と見分けのつかないような製品も少なくありません。
木質床材の弱みであった耐水性を克服しているため、上述の通り木質床材の適さないような箇所に施工されることもあれば、そのオールラウンダー性からリビングや廊下などに貼られることも珍しくはありません。既存の床の上に貼る、上張りが可能なものも少なくないため、リノベーションなどにも適していることが多いでしょう。弱点としては、直射日光などを長期間当てられてしまうと変形、変色する原因となります。
クッションフロア
価格帯的には、数ある床材の中でも最安値に位置するのがクッションフロアです。施工方法としては、既存の床の上に貼るだけなので、ホームセンターなどでも購入可能で、自分で手軽に施工することが可能です。
もっとも、永久的に施工することが目的ではなく、あくまで短期的な観点での施工となるため、耐久性の面では上記のような床材と比較することができません。気軽に模様替え、既存の床を傷つけたくない時の応急措置、といった際に活躍しがちです。
セラミックタイル
床材の中でも、用途がどちらかというと商業施設や水回りなど、限られた環境で用いられることの多かったセラミックタイルですが、最近ではカフェ風、ホテル風のインテリアのトレンドの後押しをうけ、一般家庭内でも用いられることが増え始めてきました。
特徴としては、上記の床材群に比べ非常に耐久性・耐水性に優れており、人通りの多いデパート、レストラン、エクステリアなどで用いられることが多いと言えます。踏むとひんやりするので、素足で使用するよりも、土足やスリッパを用いることを念頭に置くと良いでしょう。施工にやや手間がかかりますが、一度施工すると耐久性は抜群です。
カーペット
ふわふわと柔らかいリビング、ベッドルームに憧れを持つ方は、カーペットもおススメです。床にそのまま固定し、半永久的に使えるものと、ラグのように上に敷き、いつでも取り外せるようなパターン、またオフィスなどで一般的に用いられる、ピールアップ式のタイルカーペットなど種類は様々です。
肌触りがよく、インテリアにも馴染みやすいカーペットですが、重い家具などの下にひくと跡がつく、掃除しづらい、などのデメリットもあります。